2014/06/23ディスカバー大阪中央線
2014/06/23ディスカバー大阪中央線
駅前にあるスポーツ施設「大阪プール」。
元禄時代の大阪。現在の港区は淀川河口の三角州で、無数の小島になっており、そこでさかんに「干拓・農地化」が行われました。港区では町人の請負いによる開発が多く、その開発者の名前が町名に残っています。朝潮橋駅がある「田中」も「田中又兵衛」という開発者に由来します。ちなみに駅名である「朝潮橋」は、戦前、安治川と三十軒堀川を結んでいた「井路川(いじがわ)」にかかっていた橋の名前です。
朝潮橋駅の駅前。すぐ左側が大阪プールの入り口です。
朝潮橋駅は高架駅です。駅前に降りると西側に「大阪プール」の巨大な建物がそびえます。このプールは年間で約16.5万人が利用しています。そして八幡屋公園をはさんで、その向こうにある大阪市中央体育館。こちらは年間約44万人が利用しています。つまりこのエリアはスポーツマインドあふれる市民がたくさんやってくるところです。
そして朝潮橋駅周辺は、江戸時代に干拓されたわけですから、とてもとても古い街でもあります。周辺には新田開発の成功を祈願して作られた「三先天満宮」や、徳川慶喜ゆかりといわれる「唯称寺」など、マニアックな歴史スポットもあります。「港=埋立地=歴史のないところ」ということではないんですね。
八幡屋公園の向こうに大阪市立体育館があります。
戦前の港区は、大阪市で最も人口が多い区域でしたが、大阪大空襲で大きな被害を受けました。ですから現在の町並みは、ほとんどが戦後に作られたものです。朝潮橋駅の東側には、みなと通沿いに、そんな昭和レトロな街が広がっています。
マスコミネタのコロッケがある「八幡屋商店街」や、隣接する「港中央市場」「八幡屋市場」などがあり、買い物にも困りません。古くからの住民が多く、お年寄りも多いため、病院がたくさんあります。交通至便で暮らしやすいところですから、新しいマンションも建ちはじめています。
それにしても、悠久の時をこえて、新田開発をした町人の人名が地名になり、橋の名前が駅名になり、記憶が受け継がれていくのは興味深いことです。
駅のすぐ近くにある「みなと通」。周囲は昭和の町並み。
中央線は地下鉄ですが、この区域は高架を走ります。
※プール、体育館の利用者数はいずれも平成22年度の数値です。